お姫様と若頭様。【完】


大体1年ちょい前くらいから記憶がない
楪は俺たちのことはわかる。


まぁ俺たちと楪は財閥関係で前から
知り合いだったしな。




ーコンコンコン


静かにノックをする音。

その音で直ぐジュンだとわかる。


「おう、ジュン。

今日から楪が戻ることは知ってんな?

前言った通りこの学校の記憶がないから
色々気にかけてやってくれ」

「あぁ。
楪は家から通ってんのか?」

「いや、様子見でまだ病院だ。

家に帰らせると色々…な」


そう小さな声で耳打ちすると
あぁと小さく頷いたジュン。

物分りが良くて助かる。


さすが紅蓮元参謀だな。




「ジュンのクラスがお前のクラスのだ。


ここでお前は峯ヶ濱として振舞ってた。

ここはまぁ金持ちが多い学校だしな。


…絶対に無理はすんな」


「わかってるよ、凱瑠。

心配しないで。
上手くやってみせるから。


峯ヶ濱として接してたってことは
特定の友達とかいなかったでしょ?

まだやり易い方だよ」


上手くやって欲しいなんて思ってねぇ。

そんなことやって倒れでもしたら
それこそ嫌だから。

心配してんのは
お前が頑張り過ぎることだ。








何もかも完璧にやり過ぎてしまうから。








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