お姫様と若頭様。【完】
「なぁ羽、
最近よく一緒にいた子はどうしたんだ?
今日はいないんだな」
と嵐が不思議そうに聞いてきた。
…最近よく一緒にいた子?
「誰だっけ?」
「あ?
2年の…なんか金髪の子だよ。
メイクが超濃かった」
「おい羽、また忘れたんかよ?
あのパンダ女、俺たちのこと
気持ち悪い目で見やがって。
お前マジ趣味悪いんだよ」
かなりイラついてるのか、
キャラ崩壊の翠。
「あぁ捨てた捨てた。
なんか簡単すぎてつまんなかったし。
身体でなんとかしようと思ってる
マジクソ女。
ベタベタ触りやがって、
もう顔も見たくない」
「はぁ〜…またか羽…。
ちゃんと謝っとけよ、あの子に。
女の嫉妬や復讐はややこしいんだから」
そう呆れたように言う嵐も、
実はかなりの遊び人。
テクニックは凄いらしいが
2度目はない。
ただ自分の欲望のためだけに使ってる。
手を繋いだり、仲良く話したり、
ましてや彼女を作ったり…。
こいつはそんな面倒なことしない。
ただ喰って終わりの関係。
勘違いされやすいが、
こいつは爽やか青年なんかじゃない。
しいて言うなら腹黒青年だな。