お姫様と若頭様。【完】
放課後ー
「「「こんにちは!!」」」
下っ端たちの声が倉庫内に響く。
礼儀正しくて仲間思いの良い奴ら。
「うっス」
「おはよ〜」
「…」
「…ちは」
「元気だねぇ〜」
俺・翠・楓・瑞・藍の順に挨拶する。
…楓はしてねぇか。
全員そのまま幹部部屋へ直行。
それぞれの椅子に座って
それぞれ違うことをする。
俺たちは基本、お互い干渉し合わない。
「そう言えば今日の生徒会の会議、
つまんなかったねぇ」
とやることがなくなったのか、
急に話し出した翠。
皆一度視線を上げる。
「峯ヶ濱さんはしっかりしてましたね。
生徒会のことは全て
あの方がやっているのでしょうね」
「それよりさぁ、
あのなんだっけ、…くに……」
と俺が言葉を濁すとすかさず、
「國館 東佐良ですか?」
「そうそう、そいつ。
…俺たちのこと睨んでたよな?」
会議中鋭い視線で睨んできたあいつ。
…あいつの視線はどこか
普通の人とは違った。
「まぁ調べたところですね…」
と楓が説明を始めた。