お姫様と若頭様。【完】
出会った時から、きっと何かは感じていたのだろう。
"運命"のような強い何かを。
だって
ユズにとってヨルは、自分を襲おうとした男達から救ってくれたヒーロー
ヨルにとってユズは、喧嘩ばかりしていたどうしようもない日々から救ってくれたヒロイン
二人どちらも過去に酷く囚われていて。
似た者同士だと、初めて見た時から強く感じていた。
だからこそ、
二人は脆く弱い存在に感じてしまった。
あんなにも人の上に立つことに長けた二人をこう思うのは変だと思うが。
"ヨルは総長だ
心身共に弱くてはいけない"
それが余計あいつを過去に囚わせる原因になるとも知らず、
俺らは頼り過ぎてしまっていたのかもしれない。
あんなにも強い彼だから、きっと俺たちを守ってくれるのだと。