お姫様と若頭様。【完】

【楪side】


今日は先輩に襲われかけた。


よくあることだから
今更動揺なんてしない。


家のことがあって
やっぱり狙われることは多い。



小さい頃からそうだった。



峯ヶ濱ってだけで周りに判断されて、
狙われて…。



この名前で良かったなんて、
一度だって思ったことない。




今日の先輩は
いつもより鋭い目をしていた。



この先輩は危ないと
私のどこかが危険信号を出していた。




調べると先輩について
様々なことが分かった。


それも後々何とかするつもり。





…私なんて、実際価値はないの。


私自身に魅力なんてない。




みんなが欲しいのは
私についている"オプション"





アラレちゃんは私は魅力で溢れてるって
よく言ってくれるけど、

私はそうは思わない。




誰も私の本当の姿なんて見てくれない。


別に誰かに見てもらったって
私に利益はない。



だから私は本性を隠す。


そっちの方が私にとっても
都合がいいから。


先生にも生徒にも良い印象を与えて
私も行動しやすくなるし、

例え何かしてしまったとしても
"保険"が利く。




私の本性は1番側にいる夕梛でさえ
深くは知らない。


アラレちゃんだって
極一部しか知らない。




周りにとっての完璧は
この家にとっての当たり前。



完璧であることこそ
私がこの家にいられる理由。


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