お姫様と若頭様。【完】
私はいつもひとりだった。
小さい頃から、ひとりだった。
誰も私の本当の姿を見てくれなくて
私もそのうち諦めた。
実際、私の側にはたくさんの人がいた。
…でもそれは私が"峯ヶ濱"だから。
皆そうやって私を見て
どこかで線引きをしていた。
私はいつだって"線の外"だった。
線の中に入れるのは"友達"だけ。
…私は友達じゃなかった。
仲良い人も、仲良くない人も
正直いなかった。
皆私とは"無関係"なのだから。
最近転校して来た彩狼の幹部たち。
あの人たちは
仲間を大切にするって有名。
…私のとこだって皆仲良い。
…信じられない、誰も。
正直いつも側にいてくれる夕梛でさえ
少し警戒してしまう。
人を警戒するのが癖なのかも。
ある事件がきっかけで…。