お姫様と若頭様。【完】
その言葉にこの場にいる全員が固まる。
「あぁ?」
「…恋……人…?」
泪は眉間に皺を寄せ、
彼女はキョトンとした顔。
翠も悪気があったわけではないが
泪の声にハッとした様子。
ばっか!
何やってんだよ、翠!!
そんなこと言ったら
今後気まずくなんだろ!
彼女の情報が全く出ない所為か、
段々とイライラした雰囲気の俺たち。
そんな中、
彼女との雰囲気が悪くなったら…
「チッ」
軽く舌打ちをする泪。
こんなに何も出来ないのが初めてなのか
今回は凄く慎重だった泪。
それが今の
泪の機嫌が悪くなった原因である。