お姫様と若頭様。【完】
「泪、どうすんだ?」
不安を泪にぶつけると、事もな気に、
「あいつらのバックに組が付いてんなら
組はこっちで何とかする」
…本当はあんま動かしたくねぇはずの
組を動かすと言う泪。
普段絶対に自分で何とかしてきた泪だが
今回のことは限界を感じてるらしい。
そんな泪に悪いと思いつつも
俺らは泪に頼るしかない。
そして決戦の時ーー
『陣宮組を正式に動かす。
ちゃんとあいつに許可を得たしな。
指揮は俺がとる。
陣宮組若頭として、
彩狼総長・赤狼(しゃくがみ)として
おめえらに命じる。
あいつらを潰せ!』
「「「「おー!!!!」」」」
泪が皆の前に出て堂々と話す。
その言葉に皆従う。
こういう時、
こいつの凄さを俺らは毎回実感する。