お姫様と若頭様。【完】
「おいおい、彩狼ともあろう族が
俺たちみてぇな族にやれていいのか?
…ククッ、全国№1の方々がこの面か。
まだ俺たちには作戦が残ってるのによぉ
残念だねぇ。ククッ」
凄く楽しそうに話すあいつが総長の
赤司 祥羅か…。
そしてこの族の副総長はどこだ…?
姿が見当たらない。
するとーー
「嫌っ…!」
女の子のか細い声が聞こえた。
そちらへ向くとーー
「……聖…ちゃん…」
「聖ッ!」
「英捺さん!」
「聖?!!」
「聖ちゃん!」
「…!」
「ひじりん?!」
「…!?」
彩狼の人達も反応して
それぞれが彼女を呼ぶ。
…そうだ、
聖ちゃんは彩狼の姫だったのよね。
英捺 聖
本名 峯ヶ濱 聖
峯ヶ濱 聡の娘
峯ヶ濱と分かると
周りに狙われる可能性があるため、
表に出ない聖ちゃんは偽名を使っている
彩狼の姫
多分聡さん達には内緒で姫をしている。
命を狙われていると分かると
辞めさせられるかもしれないから。
…でもそんな聡さんの気持ちも分かる。
わざわざ峯ヶ濱として狙われない様に
したのに、結局狙われたら意味ない。
確かに仲間と一緒にいたいっていう
聖ちゃんの気持ちも分かるけど…。
今この現状が、
聡さん達の恐れていたことだ。