プリンセスと5人のナイト!?
「ちょっとどう言う事!?」
「「「「「………」」」」」
「何で貴方達がこの学校にいるの!?」
「「「「「………」」」」」
「私、同じ学校だなんて聞いてないわ!」
「「「「「………」」」」」
何か言ったらどうなのよ…もう。
私が教室で奴等を見つけた後、面倒くさい事になりそうだったからコッソリと教室を抜け出そうとした。
…んだけども、教室を出たら簡単に玲央くんに見つかってしまった。
そして、今は朝陽に引きずられながら理事長室に向かっている。
理事長室に向かう途中も悲鳴やら歓声やらスゴくって…コイツ等、なんでこんなに人気あるわけ?顔だけはいいけどさっ!
「理事長。連れてきました。」
理事長室らしき所へ着いた私達。
蒼空くんが中にいる人物へ話しかけてる。
「…入りなさい。」
理事長室ってこんな所にあったのね。
初めて知ったわ。
カラフル頭美形軍団はなんの躊躇いもなく中へ入って行く。
「やぁ…よく来たね、かんなちゃん。」
てゆーか、そんな簡単に入っちゃって大丈夫なの?
まず、私は何で呼ばれたのかしら?
「かんなちゃん?」
まさか…!この学校の規則で、男女の生活は認めないとか!?
そんな事バレたらパパに何て言われるか…。
「…おおーい?」
どうしましょう!今夜荷物をまとめて出て行こうかしら。
そしたらきっとセーフよね!
「あのー…かんなちゃん?」
そうね。それがいいわ!そうしたら奴等ともおさらばだもの!
「かんなちゃーん…」
あ、でも住む所がなくなるわね…。
まぁ真城さんに頼めばいっか!
てか、さっきから私の名前呼んでるの誰よ?
スゴく聞き覚えのある声だけど…
「あ、ようやくこっち見てくれた!久しぶりだね。かんなちゃん!」
私の目の前の人物はニッコリと愛想の良い笑みを浮かべている。
その人は…今私の頭の中で浮かべていた人物だった。
「ま、真城さん…!?」
何で真城さんがこの学校の理事長室に!?
いつものラフな格好とは違ってスーツだし…。
「あっれー?5人から何も聞いてないの?」
私は真城さんの言葉にウンウンと頷く。
「あちゃー。言っといてって言ったのに。」
真城さんは私の後ろにいる5人を見た。
…5人は目が合う前に逸らしてたけど。
「ま、いーや。俺ね、この学校の理事長なんだー。」
「…………はぁ?」
真城さんがこの学校の理事長?
何言ってんだ、この人。
「ほら。俺の下の名前、蘭だから。真城の"真"と"蘭"で新蘭学園。」
………やっぱりこの人ネーミングセンスないわ。
「で、でも何で私を此処に?」
そう。真城さんが理事長だって事は後で整理するとして、何で私を此処に連れて来たのか分からない。
「あー。かんなちゃん混乱してないかなーってね!」
「…混乱?」
「男の子の中に女の子1人でしょー?そしたら混乱しちゃいそうじゃん。」
……真城さん、知っててあのシェアハウスを薦めたのか。
「まぁ、今見た所大丈夫そうだし、俺はかんなちゃんの顔を見たかっただけだから!もう帰っていいよ〜。」
軽っ!
だったら最初から理事長なんてよばないでよ!
変に緊張しちゃう。
そして、私はまた朝陽に引きずられながら理事長室を出て行こうとした時…真城さんはさっきと同じ様に愛想良く微笑んで、
「じゃあね、"小野寺かんな"ちゃん?」
…そう言った。