プリンセスと5人のナイト!?
プリンセス。
その夜―。
「お前、小野寺財閥の娘だったのか。」
「……えぇ。」
今は、蒼空くんからの事情聴取中。
最初は蒼空くん達も私がお嬢様だと言う事には気付いていなかったらしい。
でもまさか、真城さんが新蘭学園の理事長で私の正体を知っていたとは…!
「それで、何でイイトコのお嬢様がなとこ所にいるんだ。」
………出たよ。
イイトコのお嬢様だとか、金持ちだとか言う偏見。
「…別に。息苦しい生活から逃げてるだけよ。」
てか、蒼空くん達も新蘭学園に通ってるくらいならお坊ちゃまなんじゃないの?
「…そうか。」
あら。根掘り葉掘り聞いてこないのね。
「…蒼空くん達も、何処かのお坊ちゃまなんでしょ?」
「…あぁ。俺は飯塚コーポレーションの跡取り。誠は藍沢グループ。朝陽は村山財閥で、玲央が関根コーポレーション。猛は森下財閥だ。」
蒼空くんが一気に説明してくれたけど…私の小さい脳みそでは追いつけない。
飯塚コーポレーションに藍沢グループ…村山財閥、関根コーポレーション、森下財閥…?
全部超有名な所じゃない!
ちょっとちょっとちょっと…!
私こんな人達と生活して行くの?
無理があるわよ!
「おい。それで、さっき小野寺財閥の社長から電話があった。」
「パパから…?」
パパから私以外に電話するなんて、珍しい。
「あぁ。」
「…何て言ってたの?」
「俺達に、お前の教育係を頼まれた。」
「…は?」
教育係?何よ、それ。
屋敷にいた時もそんな様な人いた気がするけど…コイツ等に私の教育をさせるっての!?
「おい、オカメ。」
「は、はひっ!?」
蒼空くんの声が怖くて自分の声裏返っちゃったよ!
「俺はお前に経済学を。」
「…俺は華道と茶道。」
「俺は正装の基本。」
「俺はテーブルマナーっす!」
「…………言葉遣い。」
コイツ等は急に何を言ってるの?
「…俺達が、お前を立派なプリンセスにしてやるよ。」
小野寺かんな。16歳。
「…はぁ?」
何処にでもいる平凡な高校生。
「覚悟しとけよ?」
訂正。私はやっぱりこれからも、平凡な生活を送れそうにないですわ。
「貴方達にプリンセスにしてもらうくらいなら…猿に頼んだ方がマシよーっ!」