プリンセスと5人のナイト!?

「…さぁ?」


「んもう!かんななんか嫌い!最悪だ、最低だ!」


「!!!」


「最悪最低最悪最低最悪最低…って何だよ、その顔?」


「い、今、誠くん私のことかんなって呼んだ…!」


ずっと、呼び方は“オカメちゃん”だったのに!


「ぁ、はぁー!?よ、呼んでないし!馬鹿じゃないの!?俺、蒼空の部屋行って来るっ!」


「あ、ちょっと、誠く」


ん。と呼ぼうとしたけど、その前に誠くんは「馬鹿馬鹿馬鹿!」なんて叫びながら出て行ってしまった。

まぁ、いいか。

誠くんに“かんな”って呼ばれちゃったしね。…きゃん☆

誠くんのお茶目さん♡

照れちゃって、可愛かったなぁ〜

鼻歌を口ずさんで、まずは朝陽を起こしに行った。


「朝陽ー!朝だよー。太陽サンサンだよー。仲間が起こしに…ブッ」


朝陽の部屋の扉の前でそう言いながら扉を開けようとしたら、私が開ける前に扉が開いた。


私は扉の目の前にいたもんだから、大して高くない鼻に扉がクリティカルヒット。


「いったぁーい…。あ、朝陽。起きてたんだ?おはよう。」


鼻を擦って朝陽を見上げると、少々睨むようにこちらを見ていた。

あれ、機嫌悪い…?


「あれだけリビングでギャーギャー騒がれたら誰だって起きるだろ。こっちは気持ちよく寝てたっつーのによォ。」


あ、なるほど!

これも最近知った事何だけど、朝陽は寝起きがめちゃくちゃ悪い。

無理矢理起こすのはまだいいとして、周りがうるさくて起こされると睨み殺されるんじゃないかと言う程寝起きが悪くて怖いんだ。


「ごめんね?朝から誠くんがセクハラして来て…」


苦し紛れの言い訳に誠くんを使ったけど


「チッ。別に聞いてねぇよ。」


なんて素っ気無く返され、朝陽はリビングに向かって行った。

…ふん。私に興味なんてナシですか。

別にいいもん。これから打ち解けるんだもん。

でも、朝陽ってもしかしたら私の事本当に嫌い…?

1人で悶々と考えながら猛の部屋に向かう途中、どこからか「俺、可愛い子じゃないとセクハラなんてしないし!」なんて言う声が聞こえたのは、なかった事にしておこう。
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