プリンセスと5人のナイト!?
一人じゃないよ。
「っ蒼空くん!?」
バンッと廊下に出ると、案の定驚いた顔をした蒼空くんがいた。
「オ、カメ」
「え、蒼空!?」
私の声を聞きつけて、誠くんも廊下に飛び出る。
「よかったぁ…」
誠くんは、蒼空くんが元気そうだと確認すると、ホッと息を吐いて足から崩れ落ちた。
その安堵の表情が、どれだけ心配していたのかと言う事を物語っていて…誠くんに思いっきり頭を下げたくなった。
「蒼空の馬鹿ぁ…今まで何処行ってたのさぁ…心配、した、ん、だからね…」
そして、今までの疲れが解き放たれた様に寝てしまった。
蒼空くんは、誠くんが寝てしまったのを見て、ずっと驚ていたような顔をフッと緩めると誠くんを抱えてリビングへ向かって行った。
「今まで、何処にいたの…?」
また関係ないと言われてしまえば終わりなのに、それでも懲りずに聞いてしまう私は本当に馬鹿なのかもしれない。
蒼空くんは誠くんをソファに降ろすと、着ていたジャケットを脱いで、冷蔵庫からイチゴミルクを取り出した。
私の質問に対する返事はない。
「蒼空くん…」
それから数時間。
私は、蒼空くんに何か言ってみたり、質問したりしたけれど、返事を返してくれるどころか、蒼空くんは私の顔すら見てはくれなかった。