プリンセスと5人のナイト!?
ガチャッドタドタドタ…
「蒼空!?」
「蒼空さんっ!」
「蒼空!」
夕方、私が皆にいれておいたメールを見たのか、皆蒼空くんの名前を呼びながらリビングに駆け込んできた。
その様子を見ていると、やっぱり皆蒼空くんが心配で、この5人には、私の知らない絆があるんだなと思った。
でも、その中に私は入ってはいない。
当たり前だけど、当たり前なんだけど…
その光景を目の当たりにしてしまうと、やはり悲しかった。
蒼空くんはまだ目を合わせてくれない。
しばらくすると誠くんも起きて来て、5人で楽しそうに…とは行かないようだけど、何やら話し込んでいた。
私はそれぞれにお茶入れて出してあげる。
これじゃあ、私、家政婦やってるみたいだ。
「ねぇ…蒼空くん。」
私は、お茶を置いてもう一度蒼空くんに話し掛ける。
すると、5人で話していたのに、一気に視線が私へと向けられた。……蒼空くん以外。
「どこ、行ってたの?」
蒼空くんの視線が私に向けられるはずもないのに、私は1人で話し掛ける。
「なんで、連絡、くれなかったの?」
「……………。」
「みんな、心配、してた、んだ、よ…?」
「……………。」
「っ。蒼空くん…」
「……………。」
「…ごめん…っ…ごめんね。もう…っ話し掛けないから…話、続けて…?」
私は、一方的に話した後、俯いてリビングを出て行こうとした。
話を続けて、と言ったが、やっぱりこの雰囲気ではもう一度話し出す気分にはなれないらしく、誰も話そうとはしなかった。
そして、私がリビングの扉に手を掛けた瞬間。
胸に突き刺さる言葉が堕ちて来た。
「謝んなら最初から話し掛けんなや…」
蒼空くんが発したその言葉。