プリンセスと5人のナイト!?
〈蒼空side〉
たった今、俺に抱きつきながら寝てしまったかんなを見て、自然と笑みがこぼれる。
ホント…無防備なヤツ。
かんなの表情は、安堵したように柔らかく、微笑むように眠っていた。
「蒼空…?もういい?」
廊下から誠の遠慮がちな声がした。
誠、もう共通語に戻ってやがる。
それに返事をすると、リビングには全員が集まった。
「どうだった…って、え?」
「はぁ…?」
「マジですか…」
「…………デキたか。」
俺とかんなの光景を見て、各々の驚いた声をあげる。
ま、この光景で驚かねぇ方が不思議か。
「これは色々訳あってだな…デキた訳じゃねぇから。」
「かんな、寝てるの…?」
4人の中で一番驚いているのは誠のようで、口に手を当ててワナワナと震えていた。
ここ約1ヶ月。
珍しくかんなを気に入っているらしい誠。
それは、俺を含めて他の4人も例外ではなかった。
普段の俺達なら女が、いや、部外者来ただけでどんな手段を使ってでも追い出しただろう。
でも、コイツは…かんなは、今まで此処に来たヤツとは、何かが違った。
軽い嫌がらせとして、来た当日に当番を押し付けたり、何か聞かれても『関係ねぇ。』『干渉すんな。』の1言で済ませていた。
それでも、素直なのか、鈍感なのか…かんなは文句の1つも言わずに、いつでも全力でやってくれた。