プリンセスと5人のナイト!?
それから数時間後―
私はあの後、遂に笑いを堪える事が出来なくなって結局誠くんと同じ様に笑い転げてしまった。
……朝陽に超怒られて頭叩かれたけど。
その後、誠くんと朝陽はコンビニに行くと言って家を出て行き、蒼空くんは無言で自分の部屋へ戻って行き、私は自分の部屋の片付け中。
あれだけ汚くないかと心配していた部屋もホコリは溜まっていただけで、それほど汚くはなかった。
そして、もうそろそろ片付けも終わるという時。
「たっだいまぁー!」
「…………帰った。」
なにやら玄関からチャラそうな声とそれと対象的な静かな声が。
そう言えば…あの3人以外にもまだ2人いるんだっけ。
あとの2人はどんな人なんだろう…
「あっれー?誰もいないんスかー?かんなちゃーん?」
「……………」
んん?この家って女の子はいないはずよね?
じゃあかんなって誰……。
……………。
…………私だぁ。
でも何で私の名前知ってるの?
今家に帰って来た人達は少なくともあの3人じゃない。
この家で私の名前を知ってるのはアイツらしかいないのに。
てか、私此処に来てから言葉遣い荒くなってない?もう少し気をつけなきゃね。
「おぉーい。かんなちゃんもいないのー?」
「……………」
で、出て行くべきなのかな…
「かんなちゃーん…」
「……………」
どうしよう、どうしよう?
2回言っちゃったよ?
「なぁーんだ。いないのか。」
「……………」
「居ます居ます!」
嘘がつけない性格の私は正直に出ていった。
出ていった先にいたのは2人組の男。
これはまた…スゴい髪の色をしておられます。
1人は、まだ少年の様なあどけなさを持った緑の頭。
もう1人は真面目そうに口を硬く結んで眠たそうに立っている…紫。
そして、2人ともやっぱりイケメン。
「あ、君がかんなちゃん?確かに、朝陽先輩が言ってた通り不細工でオカメみたいな顔だぁ。」
「……………ふっ。」
…………落ち着け。落ち着くんだ。
この緑…可愛いくせして毒舌。
紫も、さっきまで黙ってたくせに今笑うなんて…!
「あ、そーだ。名前言いますねー。
俺は関根怜央(セキネ レオ)。そこの隣の人は森下猛(モリシタ タケル)さんっす。オカメさんが高2なら、俺の1つ上ですね。」
あ、チャラそうなのに挨拶はきちんとできるのね。玲央くんと猛か。
「私は…「小野寺かんな。16歳。高2。血液型はA型。8月生まれの牡牛座。」
…え?
今自己紹介したのはもちろん私じゃない。
言ったのはあまり言葉を発しない猛だ。
でも何で私の情報を此処まで知ってるんだろう。
私があの3人にそこまで言った覚えはないし、あの3人がそこまで興味を持つとも思わない。
そう思っていた事が顔に出ていたのか、玲央くんがちゃんと説明してくれた。
「猛さんは記憶力がいいんスよ。この情報は昨日真城さんが言ってました。」
ま、真城さんは…人の情報をベラベラと!
今度会ったらまたエルボーをお見舞いしてあげなくちゃいけないわね。