プリンセスと5人のナイト!?


その夜。



「おい、オカメ。」



リビングにはなんと蒼空くん、誠くん、朝陽、玲央くん、猛の5人が勢揃い。


そして何故か私の名前はオカメになって、今はまた蒼空くんの前で正座をしている状況。



「………はい。」



「お前、郷に行っては郷に従えって言葉知ってるか。」



…急に何を言ってるんだろうか。

国語のテストはいつも90点以上の私がそれを知らない訳がない。

て言うか、誰でも知ってると思いますが。

と、思って他の4人を見ると皆涼しい顔をしていた。…朝陽を除いてね。



「ぶぶっ…朝陽、分かんないの?ダッサ。」


「あぁ゛?うっせぇ!知ってんに決まってるだろ!?」



「えー。絶対嘘だ。キョトンとしてたもん。」



「はっ!俺に分からねぇことわざはねぇよ!」



「へーぇ?じゃあ何か言ってみてよ。」



「やってやろうじゃねぇか!」



バシンッ!

「「痛ぁーい…」」



私と朝陽が言い合いをしていたら、蒼空くんにスリッパで叩かれた。



「黙って聞け。」



「はーい…」



何で私が怒られなくちゃいけないの!?
朝陽を見たら口パクで「バーカ」なんて言ってる。



「あさっ…」



私がまた朝陽に文句を言おうとしたら…



「黙れ。」



今度はドスの聞いた声で蒼空くんに遮られた。

蒼空くんは更に続ける。



「お前が何処から来て、どんな生活をしてたなんて聞かねぇし、興味もねぇ。」



「…………」



「だがな、此処にもちゃんとルールはある。」



「…………」



「此処に住むからにはそのルールに従って貰うからな。」



「…………」



「…聞いてんのか、おい。」



「…聞いてます。」



「なら返事くらいしろ。」



黙って聞けって言ったのは蒼空くんなのに…。

でも、これを言ったら殺されそうだから黙っておこう。



「此処の飯、掃除は当番制だ。俺、誠、朝陽、玲央、猛の順番でやってる。お前は…そうだな、土曜と日曜にやれ。」


え、えぇ!?

2日!?皆1日なのに私は2日なの!?



「チッ。つべこべ言わず黙ってやれや。」



「…………」



何も言っておりませんが…。



「後は…人の部屋に勝手に入る事とプライベートを探る事は絶対にするな。簡単に言えば、絶対不可侵。分かったか。」



「……はい。」



絶対不可侵って…一緒に住んでるのに、そんな事できるのかな?



「話しはそれだけだ。今日の当番は…オカメ。さっそくお前だぞ。」



「えぇ!?今日来たばっかりなのに今日からやるの!?」



「うるせぇ。俺がやれっつてんだからさっさとしろ。」



…蒼空くんは俺様。
しかも怖いから逆らえないよ。



私はそれから超高速でリビングのゴミを片付けて、大量の洗いものも洗った。



「あぁ…疲れた…」



時刻は午後7時。
ご飯も作らなきゃいけないんだけど、とりあえず休憩を…



「オカメ〜。洗濯物たまってるよー。さっさと洗濯して。」



…出来なかった。



「オカメッ!腹減った!さっさと飯作れ!」


「オカメさんー。俺もお腹減ったー。」


「……………飯。」



コイツらは…ちょっとは手伝おうとか言う気はないの!?


全部人任せで…!


私は洗濯もきちんとしてあげたて、ご飯作りにとりかかろうとしたんだけど…。



「何よ、コレ…」



まさに絶句。


だって…冷蔵庫の中には、本当に使っているのか疑いたくなる程綺麗何もなかったから。


唯一、調味料だけはきちんと揃っていた。
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