叶わぬ恋。




何故か鈴森くんの顔はさっきの「おはよう」のときと比べ、
どこか曇ったように感じた。



「鈴森くん・・・?」



気になったわたしは思わず鈴森くんの名前を呼ぶ。




「えっ、何??」


でも、またこっちを向いた鈴森くんの顔は
いつもの元気な顔に戻っていた。




「あっ、ううん!あのさ、鈴森くんって部活何やってるのかな~とか思って」


「あ~、サッカー部だよ」



「へえ!サッカーかあ!いいね」


「うん、俺サッカー大好きだから。夏目さんは?」



「わ、わたしは・・・帰宅部です・・・」


「あはははっ、夏目さんっぽいや」




思わず下を向いて言うと
鈴森くんは面白おかしそうに笑ってきた。



「えー!何それ!わたしっぽいって」





ちょっぴり謎な部分もある鈴森くんだけど。


やっぱわたしにとっては
ノリがよくて、サッカー好きの、ただの爽やか少年だった。



  
< 17 / 52 >

この作品をシェア

pagetop