叶わぬ恋。
何故か鈴森くんの顔はさっきの「おはよう」のときと比べ、
どこか曇ったように感じた。
「鈴森くん・・・?」
気になったわたしは思わず鈴森くんの名前を呼ぶ。
「えっ、何??」
でも、またこっちを向いた鈴森くんの顔は
いつもの元気な顔に戻っていた。
「あっ、ううん!あのさ、鈴森くんって部活何やってるのかな~とか思って」
「あ~、サッカー部だよ」
「へえ!サッカーかあ!いいね」
「うん、俺サッカー大好きだから。夏目さんは?」
「わ、わたしは・・・帰宅部です・・・」
「あはははっ、夏目さんっぽいや」
思わず下を向いて言うと
鈴森くんは面白おかしそうに笑ってきた。
「えー!何それ!わたしっぽいって」
ちょっぴり謎な部分もある鈴森くんだけど。
やっぱわたしにとっては
ノリがよくて、サッカー好きの、ただの爽やか少年だった。