叶わぬ恋。
変化する心
その日の放課後。
先生に呼ばれて職員室に行っている友達のあやを
わたしは教室で待っていた。
静かな教室の窓からは、
テニス部やサッカー部の人たちの
元気な掛け声が聞こえてくる。
わたしはそっと窓に寄りかかり、
校庭を見渡した。
「・・・あ」
サッカーをしている男子生徒たちの中。
汗を拭いながらボールを追いかける鈴森くんを見つけた。
ボールに追いつくと、相手からボールを奪い、
そのままゴールへとつなげる。
「おおっ!」
誰もいない教室で一人、声を出すわたし。
鈴森うんは同じチームの男子たちに囲まれて
頭をわしゃわしゃ撫でられている。
汗を流して、下を向いていたが、
笛が鳴りまた試合が始まると
まっすぐ前を向く鈴森くん。
わたしはずっと鈴森くんを目で追っていた。