叶わぬ恋。
・・・――――
”ピーッ!”
試合が終わり、笛が鳴り響く。
「あ~っ、惜しかったな、負けちゃった」
わたしが一人で悔しがっていると。
「ゆーあっ!」
教室のドアからあやの声。
「あっ、あや。もうもう終わったの?」
「うん!待たせてごめん!帰ろ~」
わたしは荷物を整えながら
試合が終わって、水分補給する鈴森くんをじっと見ていた。
”ドンッ!”
「・・・わあっ!」
するといきなりわたしの肩を後ろからどついて来るあや。
「あれぇ~、ゆあさーん?」
「な、なに!」
ニヤニヤとこっちを見てくるあや。怖い。
「ゆあ、そんなにサッカー部、興味あったっけ~?何見つめちゃって~」
「べ、別に?」
上手くはぐらかそうとしても、
鋭いあやには敵わない。
さっきまでわたしが見ていた方へあやは目をやる。
「・・・え、なになに。鈴森くんですかあ?ゆあさ~ん」
まだニヤついているあや。