叶わぬ恋。
「っ!!」
「ど、どうしたの鈴森くん・・・」
鈴森くんは、焦った様子で鞄の中を探っていた。
「・・・・。」
「・・・・っ、」
眉毛を下げて、困ったような表情で
黙ってこっちを見てくるこの人。
え、なに、可愛い。
ドキッ、と胸の奥が鳴る。
ん・・?何今の気持ちは。
「ど、どうしたの、鈴森くん・・・」
すると鈴森くんは口を尖らせ、
「・・・弁当忘れた」
と言った。
・・・・。
「・・・ぶはっ!」
思わず吹き出してしまうわたし。
「・・・・え、夏目さん何で笑ってるの」
そう言って鈴森くんは再び口を尖らせた。
口を尖らせても鈴森くんはイケメン。
「・・・だってっ、ふはっ。鈴森くん、弁当忘れただけですんごい悲しい顔してんだもん・・・っ」
そう言って笑うわたしを鈴森くんは戸惑いながらも
また口を尖らせる。