叶わぬ恋。
「俺そんな悲しい顔してない」
「・・・ハハッ、してた!」
「してない」
「してた」
「してない」
「してた」
「・・・・」
「よしっ!勝った!」
そう言ってガッツポーズすると、
わたしたちは顔を見合わせて笑った。
なんだか、高鳴る胸。
「っていうか。」
「へ・・・?」
「俺、今日金も持ってきてねーわ。・・・購買も行けない」
「えっ」
予想外なことに。
それは大変だ。
「・・・誰かに金借りるか・・・」
机に顔を伏せながら、またどこか寂しそうに呟く鈴森くんを
わたしは見つめていた。