叶わぬ恋。
鈴森くんは優しく微笑んだ。
それを見たわたしはまた胸が熱くなるのを感じた。
鈴森くんと一緒に食べれるっていうこの嬉しさで
心はいっぱいになった。
「あ、でも鈴森くんほかの男子たちは・・・いいの?」
「ああ、うん。別に大丈夫だよ」
「そっか!よかった!」
そしてわたしたちは購買のある1階に向かって
階段を下りる。
「何買おうかな~」
「購買の手作りチョココロネ、めっちゃ旨いよ」
「それデザートでしょ」
「えー!パンだよ、主食」
「いや、チョコだからデザート!」
そしてまたお互い顔を合わせて笑い合う。
なんだか最近、こうやって鈴森くんと話しているのが
本当に楽しい。
「生姜焼き定食にしよっかな」
「ははっ、肉食だ」
「うるさいです」
その時。
”ツルっ!”
「ぎゃっ!!!!」
階段の、掃除か何かで拭き残してあった
濡れた部分に足を滑らすわたし。