叶わぬ恋。



…――――


「じゃあゆあ、バイバーイ」

「バイバーイ」



あやは三年生の彼氏と、
今日の席替えの愚痴を吐きながら帰っていった。


ぼちぼちと人がいなくなっていく教室で
わたしもゆっくり帰り支度をする。


……彼氏か。いいなコノヤロウ。






「おっ、夏目~」

「うっわ、田中じゃん。」



「え、なんだよその言い方~」



いつもは放課後になるとすぐに部活へ行ってしまう田中がまだいた。


なのに今日は制服のままで
ユニフォームも着ていない。



「田中、部活は?」

「んー、今日バスケ部ない。」



「ふーん」


机の横にかけてあった鞄を肩にかけ、
支度を済ませたわたしは教室を出た。


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