彼がグラドルを嫌う理由
「よろしく、お願いします……」
「あぁ」
相変わらず、無愛想。
でも、心は踊る。
だってあれ以来、ずっと会うことはなかったから。
皆、それぞれの配置について撮影を開始する。
カチャッ!っと2,3枚写真を撮ると、彼は撮影を一旦止めた。
私を人気のないとこへと連れてく。
その時、私は初めて彼との撮影を思い出した。
また気に障ることをやってしまったんだろうか……。
「お前さぁ、さっき何考えてた?」
真っ直ぐ目を見て問う彼。
颯真のこと……なんて言えない……
「……んっ!………」
次の瞬間そっと、唇が重ねられる。
甘くとろけるような口づけ。
口内を彼の舌が翻弄する。
「その顔は俺だけにしとけよ」
彼の魅惑の笑みだけが、私の脳裏にしっかりと焼き付いた……。