彼がグラドルを嫌う理由
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やっぱり、このまま引き下がるのは癪なのでアイツの会社に押しかけた。
受付で事情を話すが、彼はまだ帰ってきてないらしい。
そこで正面玄関で待つことにした。
そろそろ日も暮れてきて、段々と肌寒くなってくる。
さすがにいつ帰社するか分からない彼を待つのはそろそろ限界になってきた。
そんな時、こちらへ向かう人影が微かに見えた。
見覚えのある服……
彼は私を見つけると怪訝な顔をした。
そのまま、私の横を通り過ぎる。
「ちょっと!写真、撮ってよ」
「お前のは撮んない」
スタスタと歩き続ける彼に置いて行かれないように私も足を歩める。
「なによ。あんたが気に入らないなら、何でもする」
「だから、撮ってよ!」
足を止めて顔だけ振り向いた。
「本当に何でもすんの?」
「ええ」