彼がグラドルを嫌う理由
「でも、まぁ、今日のは好きだな」
彼の視線は顔が火照って、ひたすら泣きじゃくってる私の写真。
「ありがとう……」
きっと彼の写真には、感性がある。
彼の中では被写体のすべてが作品なんだ。
今ならグラビアアイドルの愛莉じゃなくて、一人の人間として私を見ていてくれたんじゃないかって思う。
「で、この手何?」
彼は私の胸に手を当て力を入れる。
「いや、もうグラビア撮ることねぇだろうから記念に」
うん。
まぁいいんだけど……