彼がグラドルを嫌う理由
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私たちは、撮影帰りそのまま編集部へと足を運んだ。
「え?出来たの?愛莉ちゃんだいぶはっちゃけたね。でも、逆に新鮮でいいかもしれない」
写真を手にする編集長は、目を見開いて驚きを隠せないようだ。
「写っちゃってるところは、加工でなんとかしてください」
すかさず、彼がフォローする。
以前の撮影の謝罪とともに礼を言うと、私たちは編集部を後にした。
二人並んで歩く帰り道、私は彼の腕にへばりつく。
「くっつくなよ」
「こういうの好きでしょ?」
腕に胸をぐいぐい押し当てる。
「………///」
あっ視線反らした。
図星みたい。
私はふふっと笑った。
「お前、今笑ったろ?」
「いいのかな~これ、バラまいて」
ポケットからモノを取り出して私に見せつける。