奏デルハ喰血ノ調ベ


「私か?

……ああ、この姿では
分からないか。

そうだな……まぁ、見ていろ」



何やら意味深な事を言うと、
彼はわたしの腕から手を離し、
静かに立ち上がった。



「…………ふふっ」



そしてわたしを見下ろし、不敵な
……冷酷な笑みを浮かべた。



(っ!!)



その瞬間、凍りついたかの様に
動かなくなった体。

わたしの体は……一瞬にして
『恐怖』に支配されてしまった。


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