奏デルハ喰血ノ調ベ
それを見たか見てないか
理解する前に、
今度は目を開けていられない程の強風がわたしを襲った。
「ううっ……」
肌を叩く様な強風の痛みに
我知らず呻き声が出る。
その時間は長かった気もするし、短かったようにも思える。
どっちにしろ、風がぴたりと止む頃には わたしはすっかり疲れていた。
一体さっきから何なんだろう。
わたしはただ薬草を摘みに来た
だけなのに。
うんざりとしながら
ゆっくり瞼を開けた。