奏デルハ喰血ノ調ベ
つ か ま え た
「あ…………あぁ……」
いつの間にやら現れたモンスター
は、怯えるわたしを見下ろし、
嘲る様に低く唸った。
「あうっ…………」
頭の中で警鐘が鳴り響いている。
命の危機を本能的に感じるのだ。
逃げなければ。
分かってる。分かっているけれど……。
糸の切れた操り人形の様に、
わたしはその場から動けないで
いた。