奏デルハ喰血ノ調ベ
「人間の血を拝む事が出来るのは
私を狩りに、ハンターどもが来た時だけなのだ。
だが、これがまた面倒で……。
ハンターどもの目的は私の狩猟、及び討伐。
だから少しでも気を抜くと
私がやられてしまう。
そして必ずしも吸血出来るとは
限らない。
仮に出来たとしても、
すぐに邪魔が入る。
その上、
ごく少量しか飲めないときた。
残念な事に、吸血中の私は完全に無防備な姿となる。
ハンターどもを蹴散らす為には、
すぐに食事を終わらす以外方法が無いのだよ。
だがこれ程までのリスクを冒して
でも喰らいたいのが人間の血、という訳なのだ」
彼にしたら単なる生きる為の手段なのだろう。
しかしわたしには『狂ってる』。
そうとしか思えなかった。
外見だけは人の姿なのだから、
尚更だ。