彼女を好きなワケ 【逢いたい~桜に還る想い~・番外編】
「これ………」
目を丸くして、手のひらのいちご模様の包み紙に見入っていると、
「あ、……甘いのだめ?」
トーコさんが心配そうに、覗き込む。
「ううん……ありがと」
俺の返事に、トーコさんがふにゃっと笑顔になりながら、続けた───いつかと同じように。
「これ、あたしの元気のもとなんだ! いつも持ち歩いてんの」
『覚えてるよ』……その言葉を飲み込んだ代わりに、
「………糖分の摂りすぎは太るよ、トーコさん」
そんな憎まれ口に、トーコさんのほっぺがぷぅっと膨らむ。