彼女を好きなワケ 【逢いたい~桜に還る想い~・番外編】
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城址公園へは、いったん駅まで出て、そこからバスに乗っていく。
車なら割と早く着くけど、さすがにばーちゃんに頼む訳にはいかない。
自転車とバスを使ってようやく着いた公園の入り口で、
急に吹いてきた強い風に、俺は思わず目をつぶった。
今日は雨の降りそうな曇り空で、風が強い。
この風で、桜はほとんど散ってしまうだろう。
「……急ごう」
雨が降ってきたら、厄介だ。
駐車場を通り、広場を突っ切ったところで、
「────わっ……」
また、強い風に煽られて、目を細めた、
────その時。