彼女を好きなワケ 【逢いたい~桜に還る想い~・番外編】
………駄目だなぁ、俺。
冷たい水でバシャバシャ顔を洗い、しばし反省。
記憶が戻ってから───まずいことに、トーコさんを叔母として見られない瞬間が増えてきたこの現状。
前世の想いに引きずられ過ぎなんだよ……と、突っ込みを入れてみる。
───そう、例え『初恋はトコちゃん』でも。
いちごみるくのおまじないを今も大切にしている彼女に、嬉しくなる自分がいても。
それも、ぜーんぶ“真”の記憶のせいだ、
しかもまだ思い出したばかりだから……
そのうち落ち着いたら、本来の自分に戻るだろう。
そんな、儚い期待を抱きつつ。
だから………
「入学祝いくれないの? かわいい“甥っ子”に」
これは、自分への戒め。