彼女を好きなワケ 【逢いたい~桜に還る想い~・番外編】
昇降口でクラス発表の紙を確認して、教室へ向かう。
もうほとんどの席が埋まっていて、空いている席は少ししかない。
近くの机を見るとピンクの封筒が置いてあり、“祝・入学”の印字に、氏名のゴム印が捺されていた。
……てことは、恐らく出席番号順かな?
廊下側から一列目は、もう一番前しか空いていない。
“アンザイ”の俺は、出席番号1番か……。
机の上の封筒のゴム印を確認していると、
───視線を感じて、ふぃ…っと、俺の後ろの席の方を向いた。
そこには長い黒髪の女子が座って、何故かすごくぶーたれた表情でこっちを見ていて。
そんで───俺とぱちっと目が合った途端、何故か悪戯が見つかった子供のようにアワアワと慌て始めた。