彼女を好きなワケ 【逢いたい~桜に還る想い~・番外編】

その一連の反応がおかしくて、思わず吹き出してしまった。


自席に座りながら……


割と綺麗なのに、なんだか面白い娘。

顔立ちが、俺の知ってる誰かと似てる………


「────………」


不意に遠い幻影に囚われていると、担任が入ってきて挨拶を始めた。


ぼんやりしていた俺は、慌てて封筒の中の書類を確認した。



「あ~、それでは出席を取る。

え~…読み方が間違っていたら、教えてください……。

あ~……アンザイ イクミ」


出席番号1番の俺は、すぐに名前を呼ばれ、返事をする。


「えー……あ…アンザキ…ミ……ミオウ」


すると、すぐさま凜とした、少しハスキーな声が響いた。


「──すみません、“ミ・オ”です」



──“みお”──



その名前に反応した俺は、すぐさま名簿を見遣る。


“杏崎未桜”……“みお”……桜……


そうか、誰と似てるって……


俺は思わず振り向いて、出席番号2番の“杏崎未桜”をじっと見てしまった。


< 39 / 103 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop