彼女を好きなワケ 【逢いたい~桜に還る想い~・番外編】
その一連の反応がおかしくて、思わず吹き出してしまった。
自席に座りながら……
割と綺麗なのに、なんだか面白い娘。
顔立ちが、俺の知ってる誰かと似てる………
「────………」
不意に遠い幻影に囚われていると、担任が入ってきて挨拶を始めた。
ぼんやりしていた俺は、慌てて封筒の中の書類を確認した。
「あ~、それでは出席を取る。
え~…読み方が間違っていたら、教えてください……。
あ~……アンザイ イクミ」
出席番号1番の俺は、すぐに名前を呼ばれ、返事をする。
「えー……あ…アンザキ…ミ……ミオウ」
すると、すぐさま凜とした、少しハスキーな声が響いた。
「──すみません、“ミ・オ”です」
──“みお”──
その名前に反応した俺は、すぐさま名簿を見遣る。
“杏崎未桜”……“みお”……桜……
そうか、誰と似てるって……
俺は思わず振り向いて、出席番号2番の“杏崎未桜”をじっと見てしまった。