彼女を好きなワケ 【逢いたい~桜に還る想い~・番外編】
長い黒髪と色白な肌、顔立ちとか、───そうだ、“澪”に少し似てる。
そんで、同じ名前………。
あぁ、でも意志の強そうな眼差しは、どっちかっていうと、姉上……
───……なぁんて、思い馳せていたら、
俺の視線に気づいた杏崎さんが、訝しげにこちらを見ていて、
俺はゆっくり視線を逸らして前を向いた。
やば………不審だったな、俺。
はぁ……こうやって、しばらくは色んな場面で、前世の記憶に囚われるんだろうか。
軽くため息をつきながら、のんびりした声で出席をとる担任に視線を戻した。