彼女を好きなワケ 【逢いたい~桜に還る想い~・番外編】
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学校の最寄り駅前に自転車を置き、杏崎からのメールを頼りに、トーコさんが酔いつぶれているであろうアパートを探す。
“寿司の竹花”を曲がって……十字路2つ目を左……
白い屋根に紺の壁の……
「あった……」
紺色の壁の建物はすぐにわかった。
インターフォンを押すと、すぐに扉が開いて───この人が……“ゆーじん”さん。
「悪いな、遅い時間に」
短く一言いうと、振り向き様、
「───おい、さくら。迎え来たぞ」
ゆーじんさんのアパートは、玄関脇に風呂とトイレらしき扉があり、
キッチン付きの一間がそのまま玄関スペースと繋がっている構造なので、
ロフトベッドの横にトーコさんが転がって寝てるのが、玄関からでも見えた。
その隣に杏崎がいて、「安西、大丈夫だった? 見てよ、さくらさん」と手招きしている。