彼女を好きなワケ 【逢いたい~桜に還る想い~・番外編】
「───俺、“初恋はトコちゃん”」
「えっ、ほんとに!?」
「ほんと。……そんな訳で、“いちごみるくのおまじない”覚えてたでしょ?」
「……うん。それ、嬉しかった…な……」
「はい、じゃ、次はトーコさんの番」
「へっ!?」
「人にばっか言わせてずるいじゃん」
「え~~~……わかんない。
いつの間にかなんだもん」
「じゃあ、海行った時は?」
「うーん……はっきり自覚したのはその時……。
だけど……きっと、好きになったのは、もっと前…かな」
「……そうなの?」
「うん……あ。」
「なに?」
「……やだ、言わない」
「だめ。黙秘権はありません」
「えー……」
「素直に言わないと、キスするよ?」
「───なに、それー! そんなおどし文句には乗りませ………っっ!!」
「…………」
「…………。郁生くんの、ばか」
「トーコさん、可愛い」
「も……もー……。さっきの仕返しなの?」
「さあ?」