彼女を好きなワケ 【逢いたい~桜に還る想い~・番外編】
女子二人がサクサク決めてるその後ろに従いながら、
「なんで型抜き?」
一ヶ谷が不思議そうな顔をする。
「……あたしの……友達が、いるのよ」
「なに、杏崎って女子大生とお友達なん? いーなー、羨まっ!」
「変に略語にすんな」
漢字で見ないと、わからないだろ……
「あと、あたしはうちゅー人さんにも会いたいし」
「“うちゅー人さん”? 未桜、なにそれ?」
「あのさ……」
女子トークは、「女子大生♪」とランランする一ヶ谷を放って、“うちゅー人さん”の話題に移る。
───つまりは、“ゆーじん”さんのこと。
『こいつ………どーにかしてやって』
初めてゆーじんさんと会った時。
そんな言葉を言ってたゆーじんさん。
その直後───このキャンパスで、思いがけずトーコさんの想いを知ってしまった俺。