彼女を好きなワケ 【逢いたい~桜に還る想い~・番外編】
彼女の幸せを願いたくて、なんとか離れようとしていたつもりだったのに………
“どーにかする”どころか───
「…………」
トーコさんに初めてここでキスしたことを思い出すだけで、思わずジタバタしたくなる。
でも、離れようとしてる時にあんなふうに告白してくるとか、
トーコさんだって、反則だろ??
───そんなこんな思い出してたら、横から一ヶ谷につっつかれた。
「なに郁生ぃ、ニヤニヤして。
硬派なフリして、ウーマンウォッチング楽しんでんのかぁ?」
……ニヤニヤは、おまえだろ。
「見てないし……てか一ヶ谷、なんかいろいろめんどくさい。離れて歩いて」
「なんですとー?」
「だから……日本語ヘンなんだよ。現代文大丈夫なのか?」
「誤魔化さんの、むっつり郁め」
「なんで」