彼女を好きなワケ 【逢いたい~桜に還る想い~・番外編】
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校舎に囲まれた噴水のある中庭には、ずらっとテントが立ち並んでいて賑やかだ。
「あ、あれかな??」
杏崎が指差した方には、某アンパンのキャラクターの看板があり、
“かたぬき”“わなげ”と書かれてあった。
「行ってみよ!」
グイグイ進む杏崎に、引っ張られるように続く3人。
トーコさんのサークルのお店を覗き込むと、中は輪投げのブースと型抜きのブースに分かれ、
真ん中が景品交換になっていた。
ぐるっと見回してみたけど……あれ、トーコさん……
「さくらさん、いないね」
トーコさんのことを、サークルのアダ名で呼ぶ杏崎。
「おっ、うちゅー人さん、発見」
続いて、そんな言葉にどきっとする。
ゆーじんさんとは、駅で見かけて以来……
型抜きコーナーでちびっこに抜き方を教えていたゆーじんさんは、
「よお、 女子高生」
と、こちらにやって来た。