彼女を好きなワケ 【逢いたい~桜に還る想い~・番外編】

    ★    ★


校舎に囲まれた噴水のある中庭には、ずらっとテントが立ち並んでいて賑やかだ。


「あ、あれかな??」


杏崎が指差した方には、某アンパンのキャラクターの看板があり、

“かたぬき”“わなげ”と書かれてあった。


「行ってみよ!」


グイグイ進む杏崎に、引っ張られるように続く3人。


トーコさんのサークルのお店を覗き込むと、中は輪投げのブースと型抜きのブースに分かれ、

真ん中が景品交換になっていた。


ぐるっと見回してみたけど……あれ、トーコさん……


「さくらさん、いないね」


トーコさんのことを、サークルのアダ名で呼ぶ杏崎。


「おっ、うちゅー人さん、発見」

続いて、そんな言葉にどきっとする。


ゆーじんさんとは、駅で見かけて以来……


型抜きコーナーでちびっこに抜き方を教えていたゆーじんさんは、

「よお、 女子高生」

と、こちらにやって来た。



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