彼女を好きなワケ 【逢いたい~桜に還る想い~・番外編】
「……はっ」
俺は小さく笑った。
杏崎、お人好し……てか、
───正直、嬉しい。
誰にも弱音なんて言えないこの恋。
杏崎ははっきりとは言葉にしなかったけど、
俺とトーコさんを心配し、応援してくれてる。
そして、あの人───ゆーじんさんも。
「頑張んなきゃ、なー……」
きっと、これからもっと、いろんなことが起こる。
現実でも───それから、きっとまだ前世の記憶……その罪と罰に悩まされることも。
トーコさんと一緒に生きていくためには、
彼女の側にいて守っていくためには、
もっともっと強くならなきゃいけない。
「杏崎に励まされてる場合じゃない……か」
とりあえず、数少ないチャンス、トーコさんを誘って出かけてみようかなー、と
俺は、杏崎のくれたパンフを広げてみたのだった───………