好き、だから抱きしめて
そんなこんなで私は藤宮の車の助手席にいる。
「どこ行くの?」
『いいから黙って乗ってろ』
教えてくれたっていいのに。第一、こんな有名人と一緒なんてヤバイんじゃない?
特に会話も無くボーッと外を眺めてる内に眠気が襲ってきた。
肩を叩かれハッと目が覚めて自分が寝ていた事に気づく。
『着いたぞ』
「…ごめん。寝てた」
『別にいいよ』
藤宮はそれだけ言うと車を降りる。私も急いで降りると目の前に飛び込んで来たのは大きな観覧車。
ここって、遊園地?
『ほら、行くぞ』
すたすたと先を行く藤宮の後を追った。ところでこんな人の多い場所に来て大丈夫なの?