好き、だから抱きしめて



「お母さん。お姉ちゃんから鍵預かってる?」



あーそういえば、と言いながら引き出しの奥を
ごそごそすると見つけた鍵を私に渡した。



母から話をよく聞けば事務所の社長としばらくニューヨークで仕事をする事になったらしい。



姉は確実にステップアップしている。なのに私ときたら平凡なOL生活にどっぷりつかりきってる。



ここで1人暮らしをして生活を変えてみるのも
良いかもしれない。



姉の荷物は殆ど部屋に置いていくらしいので、私は荷物を必要最小限にまとめて明日に備える事にした。



翌日、仕事を定時で終わらせ住所が記されている紙を頼りに目的地を探す。たどり着いた場所は高層の超高級マンションだった。



お姉ちゃん。こんないい所に住んでいたのか…。綺麗なエントランスを抜けエレベーターに乗り込み部屋の前にたどり着いた。
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