好き、だから抱きしめて
貰っていた鍵を差し込み重い扉を開けるとそこには別世界が広がっていた。
高そうな家具や照明が部屋を引き立てる。暫く呆気にとられたが我に返り部屋に上がった。
「失礼しまぁす…」
誰もいる訳ないのに口走ってしまう。そろそろとリビングに進むと右側と左側に部屋があった。
さて…寝室はどっちだろう?
とりあえず左側の部屋の扉を開けてみる。そこにはベッドがあり姉の私物が点在していた。
洋服以外はほとんど置いて行ったようだ。お陰で私にはちょうどいいけどね。
荷物をそこに置きお腹が減ったので冷蔵庫を覗いてみる。しかしそこには案の定何も無かった。あとで買いにいきますか。
ため息をつき部屋を見回すともうひとつの部屋の扉が目についた。何の気なしに私はその部屋を開けてみる事にした。