If…もしもあの時
目覚めた先には…
「…冬美、冬美」
夢うつつの中で、母親が私を呼ぶ声がする
ダルいから寝てたいんだけどな
「トモエちゃんが来てくれたわよ。上がってもらうからね」
ん?何で別居してる母親が
同じ家にいるんだろう
風邪薬の副作用で、タイムスリップっぽくなってるとか?
布団の中を探ると、愛用の携帯と充電器があった。状況が分かるまでは隠しておいたほうがいいかな
パジャマのポケットに携帯一式を隠して起き上がると、17歳当時そのままのトモエが部屋に入って来た
「冬美、熱出したんだって?何回もポケベル鳴らしたけど連絡なかったから、直接来ちゃったよ」
「ごめんごめん。風邪薬飲んだら眠くなっちゃって」
「まぁ、そんなに酷くなくて良かったわ。ちょっと話したい事もあったし」