キミのイタズラに涙する。
けっきょく隆平は起きて来なかったけど
大丈夫だよね?
私は帰り道、
隆平の言葉を思い出して顔が赤くなっていた。
『お前が……誰かと付き合うかもしんねぇって思ったら
嫌だったんだ』
嫌だった、か……。
熱のせいだってことに自分でしたクセに
本当はやっぱり本心だったらいいと思ってる。
ぺたっと顔に手をあて、温度を冷ますと
私は小さくつぶやいた。
「特別ってなんだろう」
さあっとイタズラな風が吹く。
それは、もしかしたら
何かの合図かもしれない。