キミのイタズラに涙する。



やっぱり抜け出したいと思っている証拠だ。



「なぁ、沙良」


「ん?」


すると隆平は小さい声で言った。


「3日後の卒業式の日、俺の気持ち言ってやる」


「え、本当?」


「ああ……だから楽しみにしとけよ!」


「うん」



しかし、隆平の気持ちを聞ける日は来なかった。


卒業式の日、隆平は


倒れて病院に運ばれた。


朝から調子が悪いって言ってフラフラしていたけど

無理して卒業式に参加して……

卒業生をおくるために歌を歌っている時だった。



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